こんにちは、webディレクター錦織です。
デザイナーも兼務しています。

よく、「デザイン」というと、センスがああぁぁという話になります。
ありがたいことに、前職のお客様から「錦織さんのセンスが好きなので、デザインだけでもお願いできませんか?」というお話をいただくこともあります。

うーん、センスというと、、私自身のオサレセンスはあまりないかなぁとか思います。

若い頃にいた生命保険会社のときも、営業ツール(チラシ)を自分で作ることがあるのですが、「錦織はインパクトはあるけどセンスないよな~」などと言われており、笑いのネタでした。

web業界に入ってもとにかくド素人なので、はじめは何かの付録についていたPhotoshopエレメンツの1.0からはじめ、エフェクトを見てすごーいとか言っていた状態でした。コーディングも画像の右回りとかも知らず、なんで絵の横に文字が来ないんだろう???と不思議に思っていたこと、懐かしいです。
Photoshopを使うようになって、「グループ化」ができるように感動でした。

ではなぜ、そんな「センスないよな~」と言われていた私がデザインのセンスが好きと言っていただけるようになったのか、ちょっと考えてみました。

その1 その会社さんのことをどれくらい知っているか

その会社さんの理念、社会に存在している意義、業種業態、商品、一押し商品、強いところは何なのか、弱みは何か、社長さんはどんな人、働いている社員さんはどんな人、集客方法、営業方法、契約後のこと、アフターフォローはどうしてる、などなど、その会社さんについての情報を多方面から持つということ。
これを知っているだけで、けっこうその会社の色(カラーではなく、キャラクターという感じです)がなんとなくイメージできる気がします。

2 その業界について知っている

お客様の業界の一年を通しての動きやここ数年の傾向、未来予測など、これらもいっぱい知るのは難しいですが、ある程度のことを知っておくと、アウトプットにつながるかなぁと思います。
これはオサレデザインというよりは、コンテンツで何を準備するとか、そのコンテンツの優先度はどうするとか、ページの構成に影響するように思います。
でも全然分からない業界ばかりというのが本音です。それはもはやお客様に教えていただいています。
業界のことを知る

3 ターゲットをきちんと定めている

ターゲットを定めるしごく当たり前ですが、やはり誰に見てもらいたいホームぺージなのかというのは、非常に大事です。
このへんが意外におざなりにされていることがあるのが残念ですが、どこの誰に何を売りたいかが分からないと、正直何をデザインしてよいのか分からないです。
でも、逆に考えれば、どんな人がターゲットか、その人に何を見てどういう行動を取ってほしいのかが分かれば、アウトプットはかなりしやすくなります。
このあたりは、お客様の会社内でもきちんと定められていなかったり、なんとなくこんな感じ、という像はあるものの明文化(ペルソナ設定)されてはおらず、社内の共通語がない場合もあります。

そんなときは、「このホームぺージの見せ方としては」ということで、どんな人に見てもらいかをお客様と相談して決めさせていただきます。「このホームぺージの見せ方としては」と前置きを付けるのは、そうしておかないと制作するホームページの目的がよく分からなくなるし、経営層はもっと広く考えていたりするときに、話がいろいろな方向に行ってしまうことがあるからです。
そうしておかないと、ああでもない、こうでもない、という議論になったときに戻れるところがなくなり、不毛な議論と作業に陥る危険があります。

4 リニューアルだったら元のサイトをしっかり見る

ワイヤーフレームしごく当たり前パート2です。
ここで言いたいのは、情報設計です。デザインとは、見た目オサレというデザインと、視認しやすいとかの工業的機能的デザインとに分かれると思います。
情報設計に関しては、後者のデザインになりますね。
元のサイトや類似サイトを見ることで、情報の大中小や、そもそも置くべきコンテンツが過不足ないか等、確認します。
必要であれば、「これで作って」とご依頼をいただいたワイヤーフレームに調整を加えてご提案させていただくこともあります。
せっかく作ってくださったワイヤーフレームなので、否定している感じに受け取られないか心配だなぁと思いながらご提案するのですが、これが意外に喜ばれます。

5 たくさんのデザインを見ている

これもあるあるだと思いますが、たくさんの事例をインプットしておくことも大事だと思います。
私は昔、「デザインの神様が降りてきてくれない~~(><)」とか言いつつ、締め切りに間に合わせようと作業に取り組んでいましたが、今振り返ると恥ずかしいです。

そう、デザインの神様なんて降りてきません。つまり、何もないところからは何のヒラメキもトキメキも生まれないのです。
ひらすら先人たちのホームぺージをたくさん見て、ストックする。必要な時に見返す。
ストックしたホームページはなぜ美しく見えるのか、見て、考えて、何かの法則性を見つける。
ホームぺージ以外でも、雑誌を見たときとか電車のポスターを見た時とか、なぜこの文字が目に入ってくるんだろうとか、この画像の使い方おもしろいな、とかとにかく見て分析?する。
他にはセミナーを受講して、プロのデザインに生で触れる。
これを続ける。

そうすると、いつの間にか無意識下にたくさんの引き出しができてきて、こんなときはこんな感じ、といった当てがつくようになる気がします。

あとは、経験上なんとなく気付いた法則性がいい味につながるように思います。
例えばちょっとしたシャドウの付け方とか、デザインの中の見えない線はきっちり設計しておくとか。

6 デザイン以外の知識

デザイン以外の知識もすごく有効だと思います。ちょっとした雑学が自分の作ったものを説明するときに役に立つこともあります。

菜の花は千葉県のお花例えばこの彩企画のTOPページのメインビジュアル画像には菜の花が入っています。千葉県人なら知っている方も多いと思いますが、菜の花は千葉県の県花です。
彩企画は千葉県にあるし、ホームぺージ制作がお仕事とはいえ、地元に近いお客様のほうが何かのときにすぐにかけつけられるので、千葉県loveが伝わったら嬉しいなぁと思って入れています。
「菜の花が千葉県の県花」という知識は、小学校のときに学校(たったかな・・)で教わったものです。
ただ楽しく、元気なイメージのお花を選びたかったら、必ずしも菜の花にする必要はなく、違うお花を選んでもよいのかもしれません。
でも、私は千葉県の人に共感してほしい、または郷土loveに共感してくださる方とご縁を持ちたいなと思っているので、持っていた「千葉県の県花」の知識を使ったわけです。

(余談ですが、同じくメインビジュアルにガーベラが入っているのは、学生時代、友人とお互いを花に例えると何だろうという話をしていたときに、複数人に「ガーベラ」と言われたことがあるためです)

そんなわけで、例えばお客様である会社がある地域のことを調べたりとか、あとは日ごろから雑学的にいろいろ情報を取りにいくことがデザインをする上でのアウトプットにもつながると思っています。

いろんな情報から集約して、根拠と一緒にアプトプットするといいと思う

ちょっと振り返ってこんなことが積み重なって「センスが好き」とか「センスが合うんです」と言っていただけるようになったのかなぁと思うことを書きました。
結論は「生まれながらのセンスはなくても(?)、いろんな情報から集約して、根拠と一緒にアプトプットするといいと思う」ということです。

たくさんの知識と経験があれば、美しく見えるホームページのデザインのコツみたいなものにも気が付くし、どうしてこうなったかをしっかり説明できるのではないかと思います。
その説明があるのとないのとでは、お客様の納得感が全然違うことも経験してきました。
説明ができるようになってきてからは、お客様がデザインそのもので揺れてしまうことは少なくなってきたように思います。

そして、例え提案したデザインがお客様の意に沿わないとしても、根拠がしっかりした説明があればそれを土台に修正がしやすいと思います。

 
と書きつつ、私もひたすら勉強中です。これからもいろいろなことを知っていきたいし、経験を積んでいきたいです。

この記事を書いた人



錦織綾

ブランドプランナー 錦織 綾
出身:千葉県千葉市
資格:ブランド・プランナー/産業カウンセラー
趣味:ピアノ、合気道

工務店・住宅業界に特化したWEB制作会社に15年勤務。ウェブディレクターとして500社以上の中小企業のホームページ制作の実績をもつ。特に、各企業のブランディングを行ったホームページ制作を得意としており、数多くの人材採用・顧客集客の成功事例を生み出している。