こんにちは、錦織です。

先日、ブランディングに携わらせていただいている会社さんでコーポレートアイデンティティの社内発表会がありました。

約1年近くをかけ、みんなでいろいろな想い・価値・言葉を出してきました。
そうして経営陣とまとめたコーポレートアイデンティティの冊子が出来上がりました。

 
この時間は私にとってとても貴重な時間で、書いてよいかどうかは置いておいて、たくさん文字を書けてしまいそうです。

経営者の方や社員さんからいただいた声がとても嬉しくて、何度もアンケートを読み返してしまいました。

全部ご紹介したいですが、入社されたばかり(中途入社)の社員さんの発表の感想で、あぁ、こういうこともあるんだな、分かりやすいなと思った感想をご紹介します。

ブランディングミーティングの様子

1つ目の会社は社長の独りよがりだった

僕はこの業界に長くてここが3社目です。
前の会社もその前の会社も(コーポレートアイデンティティの)冊子みたいなものはありました。
でも、1つ目の会社は社長の独りよがりで、誰もついていっていない状態でした。

2つ目の会社は、何が書いてあるか知らなかった

2つ目の会社は、大きい会社でした。こういう冊子みたいなものはやっぱりありましたが、誰も読なまいし、興味もない。
だから何が書いてあるのか知りませんでした。

ここの会社はみんなの言葉だ

今日の発表を聞いて、本当にこの会社に入って良かったと思いました。
みんなで作ってきた言葉をまとめて、全員で共有する機会もあり、もっと早くこの会社に入りたかったです。

 
こんなことをおっしゃっていました。
2つ目の「会社理念などが記されている冊子はあるが、何が書いてあるかは知らない」というのは、私も大きい会社にいたことがあるので、想像がつきます。

ドキッとしたのは1つ目の会社です。言い換えれば
社長は確固たる想いがあるけれど、浸透していない
ということです。

これには、大きく2つの理由があるように思います。
■1つは単純に社長が社内に発信していないこと。
社長が仕事を通してお客様に対してこうなってもらったら幸せだな、世の中にこんな風に役に立てるのではないか、といったようなことをきちんと言語化して社員さんに伝えていない場合です。
発信がないなら、確かに分かりませんね。

■もう1つは、社員さんたちが引き気味になっているとき。
どこかのボタンの掛け違いで、社員さんたちが社長の言葉を聞いているようで聞いていない、
仕事がシステマティックに動いている中で、仕事上の報告連絡相談はするが、それ以外の会話がない、
期待して入社したものの、思っていた状況と違うのでモチベーションが下がってしまったなど、様々な理由で引き気味になっているときです。

 
1つ目の社長さんが社内に考えていることを発信していない場合は、しっかり発信し続けることで共感してついてくる人がついてきます。違うなと思えばついていない人も出てくるかもしれずですが、それは自然淘汰だと思います。そして、共感して仕事をしていける人たちにいずれ集約されてくるのが理想です。

もう一つの社員さんたちが引き気味になっているときは、なぜ引いてしまっているのか理由によってアプローチも異なってくるとは思いますが、サラリーマン時代も振り返ると「見てくれていない」「話を聞いてもらえない」といった不満を抱えていることがあるように思います。

どうして「1つ目の会社は社長の独りよがりだった」にドキッとしたのか

もう何年も前になりますが、こんなことがあったからです。

 
当時私はディレクターとして、お客様である社長さんにお時間をいただいてお話を聞き、そこからデザインをつくり、コンテンツを作成しました。
OPENして1年くらいでしょうか、その会社さんのホームページからこんなお問い合わせが入りました。

「お宅の会社は、ホームページではいいことばっかり言っているけど、実態は全く異なりますね。どうなっているんですか?」

そんな内容でした。

私としては、一生懸命お話を聞いてそれを言語化、見える化してホームページを作ったつもりでした。しかし、それは会社全体のらしさを表現したものではなく、社長さん個人の想いの詰まったホームページになっていました。

その時思いました。
社長の想い、会社理念を社員のみなさんが知っていて、かつそのように行動していないと、ホームページはウソになってしまうんだな、と。

「ウソ」は言い過ぎかもしれないですが、要するに実態と異なることを第三者に伝えてしまうわけです。
ですから社長さんの考えと社員さんたちが何を思って働いているかというところについて、重なっている部分が多くないと、表面上でホームページを作っても意味がないばかりか、マイナスになってしまう可能性すらあることに気が付きました。あとから知りましたが、「ミッションリンクされていない状態」ということです。

社長の想いだけよりみんなの想い

社長(経営層)と社員さんたちが理念を根っことして、自らの夢があり、会社の人間として統一されたメッセージを発信できる。
そのような状態が、実態と同じメッセージを発信できるホームページにつながると考えています。

実態と同じメッセージを統一して発信しつづけ、それが好きと言ってくれる人がコンバージョンしてくれるホームページにしたいです。

そのために、みんなで自分と会社と向き合うブランディングの積み上げ時間は必要でとても大事なことだと思っています。

 
1つ目の会社は社長の独りよがりだった

せっかくある理念や理念に基づくホームページがそんな風にならないように、これからもお手伝いしていきたいです。



 

この記事を書いた人



錦織綾

ブランドプランナー 錦織 綾
出身:千葉県千葉市
資格:ブランド・プランナー/産業カウンセラー
趣味:ピアノ、合気道

工務店・住宅業界に特化したWEB制作会社に15年勤務。ウェブディレクターとして500社以上の中小企業のホームページ制作の実績をもつ。特に、各企業のブランディングを行ったホームページ制作を得意としており、数多くの人材採用・顧客集客の成功事例を生み出している。